【保活】何をいつから始める?流れとスケジュール、入園しやすいタイミング

共働き家庭が避けて通れない「保活」。
先輩ママ・パパから「大変だった…」という声を聞いたことのある方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、スムーズに保活を進めるためのコツや準備しておくべきことについてご紹介します。

▶この記事のポイント

保活とは、「子どもを保育園に入れるために保護者が行う活動」のことをいいます。
その中でも「保活」とは、とくに認可保育園の入園に向けた活動のことを指すことが多いです。

児童福祉法で定められた基準をすべて満たす保育施設は認可保育園と呼ばれ、自治体の選考によって子どもの入園の可否が決まります。
すべての基準を満たさない保育施設や何らかの事情で認定されていない保育施設は認可外保育園となります。
認可保育園は、国または地方自治体から交付される補助金と、保護者から徴収する保育料によって運営しています。
運営費の大部分が公費でまかなわれているため保育料は比較的低く、保護者が支払うべき金額は世帯年収や生活保護の有無などによって決定されます。
また、満3歳から3年間子どもの保育料は無償となっています。
国の基準を満たしているという安心感の魅力のほか、上記のような経済的なメリットがあります。

一方、認可外保育園は国・自治体から補助金を受け取ることができないため、保育料が高い傾向です。
しかし、保育料は立地・設備・保育内容によって異なり、一時預かりのように時間単位で保育料が決まることもあります。
延長保育や夜間・休日保育などにも対応しやすいことがメリットです。
また、認可外保育園は認可保育園と比べて法規制が厳しくないため保育活動の自由度が高く、保護者のさまざまなニーズに応えられることも特徴としてあります。

こども家庭庁によりますと、保育所などの空きを待つ「待機児童」は令和5年4月の時点で全国で2680人とのこと。
産休・育休明けにいざ働こうと思っても、保育園がいっぱいで働けないとなると困ることでしょう。
ではいったい、保育園に入りやすいタイミングとはいつなのでしょうか?

一般的に保育園に入りやすいタイミングは0歳4月となっています。 次に入りやすいタイミングは、3歳です。3歳になると保育士1人につき20人まで対応可能となるため、園も入園枠を増やすことができるためです。
ただし、枠が多いから必ず入れるというわけではなく、倍率によってはそれでも入れないケースもありますので注意が必要です。
産休・育休からの職場復帰にむけて、妊娠中から早めに計画を立て入りやすいタイミングを狙って保活の準備を始めることをおすすめします。

効率よく保活を進めるためには、大まかな年間スケジュールを把握しておくと動きやすいでしょう。
認可保育園の場合は以下の例の通りです。

  • 4~6月:情報収集、自治体への相談
  • 7~9月:保育園の見学、希望園の決定
  • 10~12月:入園の申込み(必要書類の提出)
  • 1~2月:入園内定または二次募集の情報収集

※お住まいの自治体やお子さんの生まれ月などによって、細かなスケジュールには違いがございます。正確なスケジュールを把握されたい場合には、自治体の保育課に相談しましょう。

一方、認可外保育園の場合は、申込先(直接園もしくは自治体)や選考方法(独自基準、先着順、抽選)等、園によってまちまちでスケジュールを立てづらいのが実情です。
認可外保育園の詳細な情報は、自治体に問い合わせるほか、事前に必ず見学や説明会へ行き、しっかりリサーチすることを推奨いたします。

認可外保育園は認可保育園と併願して申し込みをしている家庭も多く、認可保育園の入園結果次第では、認可外保育園を辞退する家庭も出てきます。
よって、入園申し込みが多数であったとしても入園できる可能性もありますので、認可保育園の結果が決まり落ち着いてくる3月頃が最終決定となるケースが多いことも把握しておきましょう。

ここでは、認可保育園における保活の年間スケジュールにそって、基本的な保活の進め方について解説します。

まずは、自治体のHPをみたり、実際に役所の保育課に行って相談するなどして、近隣の通える範囲内にある保育園の情報を収集しましょう。
通える距離にあるかどうかの他に、職場復帰後のワークライフと育児の両立に合致するかどうか、その辺も観点として持ちながら情報収集をするとよいでしょう。

また、近所の子育て支援センターや公園等に遊びに行った際に、「保活をしているので、保育園の様子を知りたい」旨、他の保護者の方に相談してみると、多くの皆さんが通ってきた道なので、結構教えてくれたりしますので、勇気を出して相談してみてもよいかもしれません。

情報収集をして気になったり、通わせてみたい保育園がいくつか見つかったら、実際にその園に見学をしてみましょう。

見学時のポイントとしては、以下をおさえておくとよいかと思います。

  • 事前に質問をメモに書くなどして、当日聞き漏れがないように準備をしておく
  • 園の雰囲気や子どもの様子、保育士の子どもへの接し方はどうか
  • 安全面や清潔面(感染症対策等含)はどうか
  • 園庭や活動スペースの広さはどうか
  • 駐車場や駐輪場はあるか

以上のようなポイントを踏まえて、最終的には保護者の方が「ここなら安心して子どもを預けられるもしくは預けたい」と思える園を選ぶとよいかと思います。

希望園がある程度絞られたら、いよいよ申し込みです。
申込書類は自治体の窓口でもらえるほか、保育園のホームページから直接ダウンロードできることもあります。
また、申込書類の中には、勤務先に記入してもらう必要のある就労証明書がありますので、会社に依頼をする時間等も考慮し、余裕を持って早めに準備にとりかかりましょう。
書類の提出方法も、自治体によって、郵送と直接提出とがあります。締切日も提出方法によって異なる場合もありますので、事前によく確認をしておくことをおすすめいたします。
また、後日自治体より問合せがきたり、ご自身で確認をとりたいこともあるかもしれませんので、念の為に書類の写しをとって保管しておくとよいでしょう。

保育園の結果発表は、一般的に1月~2月下旬頃までに郵送によって通知が届く形でなされます。

無事入園が決まった際には、保育園での説明会への参加や個別の面談があります。今後の流れや日程は、通知書と一緒に同封されていることが多いと思いますが、決定後の流れが分からない場合には、自治体に問合せましょう。

また、職場に保育園が決まった旨の連絡をし、「ならし保育(※)」のスケジュールも確認の上、職場復帰までの具体的なスケジューリングもしましょう。

※入園後の子どもの負担を考え、少しずつ保育園に慣れていくための保育のこと。日数は2週間〜1ヵ月ほどで、短時間での通園となります。
仕事等の都合により、全くならし保育を取らないご家庭もあります。

一方、万が一希望の保育園に落選してしまったとしても、2次募集をしていたり、3月になってから、先に決まっていた家庭の転勤やなんらかの事情で辞退をした枠が繰り上がりで当選される場合もありますので、すぐは諦めずに2次募集をしている保育園がないか様子を伺ったり、自治体に相談してみるとよいでしょう。
また、認可外保育園も検討枠として入れて園に空き状況を問合せてみたり、どうしても園が決まらなそうな場合には、育休の延長を職場と相談するとよいでしょう。

申込書類を元に入園の選考が実施され、希望者が多い場合には利用調整が行われます。利用調整の基準は自治体によってさまざまではありますが、ほとんどの自治体はそれぞれの項目を指数としてあらわし計算しています。点数やランクを考慮し、より保育が必要とされる家庭が優先的に希望する保育園に割り当てられ、入園が決定する仕組みとなっているのです。

具体的に保活の点数は、「基準指数」と「調整指数」の合計で計算されています。

親の勤務状況や健康状態などを点数化したもの。勤務状況ではフルタイムやパートタイマー、フリーランスなど勤務日数や労働時間に関することを点数化します。また健康状態については、持病や障がいの有無、家族の介護などが加点対象です。基準表をHPで公開している自治体もありますので確認しておくとよいでしょう。

家庭環境に合わせて点数を加減するもので、基準指数が同点だった場合に、保育の必要性がより高いと判断するための指標です。具体的には下記の通りです。

加点対象

  • ひとり親世帯
  • 保育園を利用している兄弟がいる
  • 仕事を既にしており、ベビーシッター等の利用実績がある

減点対象

  • 自営業で子どもを近くでみれる環境にある
  • 同居親族がおり、子どもをみてもらえる

上記のうち、自分たちの世帯がどういった項目に該当するか等を事前に把握しておくとよいでしょう。

いくつかのポイントを紹介します。

上述した通り、基準指数には親の就労状況が大きく影響します。
そのため、育休明けのご自身の働き方がキーとなってきます。
例えば、時短勤務とフルタイム、どちらで復職するか迷われている場合も、当然フルタイムの方が点数は稼げるでしょうし、仮にパートタイムだとしても複数掛け持ちで働くことなどによって、多少はかわるでしょう。
ですが、勤務時間や雇用形態に関することは、一度決めてしまうと変更するのにも労力がかかりますので、負担となりすぎないよう事前に家庭内でしっかりと検討した上で働き方を決めましょう。

調整指数の加点対象にもあげた通り、ベビーシッター等の利用をするのも一つの検討材料に入れてみてもよいでしょう。
ベビーシッターサービスを継続的に利用することで、受託証明書を発行してくれる事業所もあります。
この受託証明書を保育園の申込書類に添付することで、調整指数が加算される仕組みとなっているのです。

また、競争率の高い認可保育園に入れたいがなかなか厳しそうな場合などには、その前に、就労の為の一時保育や認可外保育園の利用を先にすると、加算に繋がるケースが多いです。
つまり、1年間はまず認可外保育園等を利用して、翌年に認可保育園を申込みするようなイメージです。

ですが、全ての自治体がこの方法で必ず加算されるわけではありませんので、事前に自治体に聞いてからの利用を推奨いたします。

保活にとって一番効果的なのは、やはりなんといってもお住まいの地域の保活状況をいかに具体的に把握できるかといっても過言ではないでしょう。
詳細な把握をするためには、早めから動き、多方面からなるべく多くの情報を得る必要があります。
Web上だけでは分からないことも多々あるかと思います。
疑問点などは自治体に直接相談に行く他、地域によっては自治体が発行している「入園のしおり」のような冊子もありますので、「入園のしおり」でお住まいの地域の保育園情報を一通り先ずは目を通してみるのもよいかと思います。
子育て支援センターや地域の習い事の施設などでも保育園情報やパンフレットは掲示されていたり配布していますので、先輩ママさんたちに様子伺いをしてみましょう。
生身の実体験からより具体的なアドバイスがもらえるかもしれません。

情報収集がある程度進んだら、気になる園を一覧にまとめ表にしてみるなどして、情報整理をしておくと便利です。
自宅からの距離(送迎時間)や認可・認可外の種別、申込時期、保育料、保育時間、保育条件、その他の特徴(園庭の広さ、園内教室・活動の有無等)など、園によって様々なので、一覧で可視化できた方が分かりやすいかと思います。

リストアップが一通り整ったら、リストの保育園の中で諸条件を比較検討しながら、希望園の順位付けをしてみましょう。
この順位は、後々変動することももちろんあるでしょうが、一旦夫婦間で意見をまとめる作業をしておくと、見学や申込みの優先順位などがつけられるので、その後の行動の計画が立てやすくなります。
また、うっかり申込みそびれたなどということも回避しやすくなるので、おすすめです。

順位付けをしたら、希望順位が高い園にはなるべく早めに見学予約を入れておくとよいでしょう。
認可外保育園のなかには、4月下旬から先着順で来年度の申込みを開始するところもありますので、情報をキャッチそびれないよう注意しましょう。

見学をすることで、保育園の先生方と直接コミュニケーションがとれたり園の様子が分かり、場合によっては見学を機に希望園の順位が変わる可能性もありますので、なるべく複数園への見学をして比較してみることを推奨いたします。

見学や体験を通じて気付いたことや気になったことは、リストアップした一覧に追記をしましょう。最終的な順位付けをする際の判断材料になるかと思います。

育休延長が難しいですとか、どうしてもこの時期から働きたいという事情があるご家庭は、認可外も含めて検討材料に入れ、最終的には何園か併願をするようにしましょう。
入園の倍率を探りながら、必要に応じて認可外保育園は見学の際にそのまま申込みもしてくるなどをして、効率よく動かれると安心かと思います。

「現職では、育休から復職後、仕事と育児を両立しながら働くイメージがもてない」ですとか、「復職後、希望ではない部署への異動を命じられた」など、育休中に転職を検討する人も少なくないのが現状です。

ですが、お住まいの自治体によっては、入園前に転職をすると入園が取り消しになることもありますので、必ず事前の確認をした方がよいでしょう。

育休中のリストラや会社の倒産、転勤など、やむを得ない急ぎの事情を除いては、極力育休復帰後の転職活動を推奨いたします。

どうしても育休明けから新しい職場でスタートしたいといったケースの場合にも、転職活動を開始するにあたっては、子どもの預け先を決定しておくことが大前提となります。
新しい職場に「〇月から働けます」と明確に伝えられた方が選考がスムーズになるからです。
また、入所の優先順位が下がり不利になる可能性もありますので、勤務時間や就労する日数は現職と大きく変えない方がよいでしょう。
そのため、入園申込書に添付する就労証明書は、現職で発行してもらうのが一番無難ではありますが、転職意思が現職先に既に伝わっていたりと、事情により現職での就労証明書発行が難しい場合には、保育園申込期間前に転職先を決定して、転職先で「内定証明書」を発行してもらうことになります。この場合も、なるべく現職と雇用形態や勤務時間はかえない方がよいかと思います。

このように、保活が先か、転職活動が先かは、ケースバイケースとなりますが、いずれにしても、2つの活動を両方とも成功させるためには、緻密な計画を要しますので、熟考してから行動に移すようにしましょう。

日々の育児・家事をこなしながらの保活に不安を抱いているご家庭も多い事でしょう。
できるだけ効率的に進めたいものですよね。
間近になってアタフタせずに済むように、妊娠期から普段の暮らしの中でもちょっとずつアンテナをはって、長期的かつ計画的な視点で過ごされてみると、案外お住まいの街のあちこちに保活のヒントがちりばめられているかもしれません。

また、こども家庭庁は、保活の負担を軽減するため、民間アプリを活用して見学予約や入園申請など一連の手続きをオンライン化する仕組みの検討をはじめています。
アプリに登録すれば、紙の申請書が不要となり、スマートフォンで手続きが完了できるようになるので、現状よりかなりスムーズに申込みができるようになるかと思います。
2025年10月ごろまでに仕組みを整備して、希望する自治体が順次導入、早ければ26年4月に入園する園児から使えるようになるそうです。
さらには、全ての認可保育園や認定子ども園の情報も集約したデータベースも構築するとのこと。
自治体側もオンライン化によって、「当落」決定を迅速化するとのことですので、今までよりは保活のステップもだいぶスムーズになるかもしれません。

保活における最終ゴールは、何より「子どもを安心して預けられる場所に巡り合うこと」です。
保活を巡る情報は、上記一例のオンライン化のように、日々アップデートされることでしょう。
日頃からご家庭内で、「どのような保育園に預けたくて、どのタイミングで何をすべきか」をよく話し合い、アップデート情報がないかにもアンテナをはって、円滑に希望園に入園できるとよいですね。


*こちらの記事は、ライターを務めております『withwork Magazine(X Talent株式会社)』でも、より詳しく解説しております。
よろしければ、そちらもご参照下さい。

【保活】何をいつから始める?流れとスケジュール、入園しやすいタイミング - withwork Magazine

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