『新版K式発達検査』とは~「発達検査」を受けて支援の役立てに ~

概要

 小学校就学にあたり、通常級と通級、支援級でどこに入れようかと迷われていらっしゃるご家庭の学校選びの参考として、また、ご家庭や学校でどのような配慮や支援をしていくのがよいかといった具体的な支援の役立てとして、年長で軽度知的障害の息子も受検しました実例をもとに『新版K式発達検査』をご紹介します。

『新版K式発達検査』とは

 子どもの心身の発達の状態を観察し支援に役立てるための検査で、1951年に京都市児童院で開発されて以降、改定を重ねながら2020年12月に「新版K式発達検査2020」が刊行されました。よって、軽度知的障害をもつ次男もこの「新版K式発達検査2020」(以下、新版K式発達検査と表記します)を2023年9月7日に受けました。

 受けた理由としては、息子が何をどこまでわかっており、何はわかりにくく、またそれは具体的にどのような内容や状況が影響しているのかを把握し、小学校就学にあたり参考としたかった為です。

「知能検査」と「発達検査」の違い

 子どもの心理検査というと、知能検査が真っ先に思い浮かぶ方も多いことでしょう。知能検査の代表的なものとしては、ウェクスラー式やビネー式の検査があります。具体的に発達検査との違いをみてみましょう。

知能検査

 おもに注意力や記憶力、語彙力といった側面から、子どもの知的能力を測定するための検査です。筆記具と検査用紙を用いて回答する検査がほとんどで、おおむね2歳半以上の子どもが対象となります。検査結果は「精神年齢(Mental Age:MA)」や「知能指数(Intelligence Quotient:IQ)」で示されます。

発達検査

 「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の3つの領域における発達の状態を測定し、「発達年齢(DA:Developmental Age)」と「発達指数(DQ:Developmental Quotient)」を算出します。個別式(検査者と受検者が1対1で行う)の検査です。実際の検査では、玩具や日用品など、普段の生活の中で馴染みのあるものが使われることが多いため、知能検査と異なり、主に発語のない乳幼児も対象者として含まれます。

※どちらの検査も、その日の子どものコンディションや検査者との相性、周囲の環境や年齢によって変動する流動的な数値だと言われています。特に、5歳くらいまでの幼少期は発達スピードの個人差が大きい為、あくまで検査時の相対値であり、指数が低く出たからといって、ただちに何らかの障害が特定されるものではありませんので、ご参考としての心構えで受けて頂くのがよいかと思います。

『新版K式発達検査』結果の振返りと今後の支援例

 息子の場合は、自治体の子育て支援センターを介して、臨床心理士の方のもと、検査を受けさせて頂きました。9月7日に受けて、10月半ばに結果のご報告と今後の件で振返り面談のお時間を頂きました。その時の様子を共有させて頂きます。

(結果)生活年齢(実年齢);6歳1か月時点
領域発達年齢
姿勢・運動(運動発達・身体全体を使う力)上限(4歳域までの課題は全て通過)
認知・適応(目で見て理解し、物を操作する力)4歳10か月
言語・社会(言葉や人との関わりに必要な力)4歳5か月
全領域(3領域の平均)4歳7か月

※発達指数の共有はありませんでした
※約2年前にも受けましたが、その時の結果も、生活年齢との乖離状況に大きな差はありませんでした

今後の支援例

 結果を受けて、就学に向けてどのような支援や配慮があると良いかのアドバイスを臨床心理士の方より頂きました。

<運動面>

粗大運動は全て通過。微細運動(指先の細かな動き)も、スピードはゆるやかながらも〇。

ただし、微細作業が続くと意欲や集中を維持するのが難しい場面もある為、一度に取り組む量や範囲の調整を考えてあげると負担なくできるでしょうとのこと。

<認知面>

2年前に比べ「何を求められていて、どう応じれば良いのか」への理解や反応が速くなり成長を感じたとのこと。「ここが違う」「間違えた」など、自ら振返り軌道修正したり、見本に近づけようと何度も試行錯誤するなど、気付く力や面倒くさがらず粘る姿は、就学後の強みにできると良いですねと言って頂けた。

一方、心理士の方が見本をみせた動作に対し、記憶をして真似をする動きに対しては、毎回変化する動きを覚えて再生するのが難しく、かなり疲労した様子であったとのこと。今後は、微細運動同様、一度に取り組む量は少なく短くし、確実に理解(記憶)してから新しい作業を徐々に加えていく等の配慮があると良いですねとのアドバイスあり。

<言語面>

前回に比べて指示への理解、実行はスムーズになった。「待ってね」「どうぞ、と言われたら始めてね」等の約束も確実に守れるようになり、やりとり自体がまとまってきた印象。短い文章での指示、数の復唱、数概念への理解実行は良好。一方、長めの文章を聞いて状況をイメージしながら解決策を答えたり、一桁の足し算をする課題では、実際の場面を見て操作することができなかったためか、戸惑う様子があった。

今後は実物の操作や、実際の経験を言葉にするなどして表現の幅を広げていってあげると良いでしょうとのこと。大事なことはあえてゆっくりテンポで話してあげるとよいともおっしゃっていた。


今後、就学に向け就学先に提出する支援シートを作成する中で、頂いたアドバイスを
参考に記入させて頂いたり、担任の先生や療育施設の先生方にも共有をさせて頂いて、
子どもの支援の手立てとしていけたらと思っています。

まとめ

 検査結果が思うような数値でなかったらショックを受けそうだと、ためらう保護者の方もいらっしゃることでしょう。

 子どもの発達を研究する明星大学教授・保健学博士の星山先生は、私が受講している子育てサポーター講座の際に、「発達検査はお洋服の採寸と同じようなものです」とおっしゃっていました。子どもの発達を年齢のみで区切ってみるのではなく、その子どもの個性・特性・発達段階に合う支援の方法を見つける参考となるという意味です。
保護者、幼稚園・保育園、小学校、療育施設など、お子さんをとりまく周囲のおとな達が発達検査を参考にして関わることで、お子さんのストレスのかからない生活や今後の支援に繋がり、お子さんの自己肯定感があがることで、のびのびと成長していけると良いのではないでしょうか。

 子どもの発達検査は、医療機関、発達障害者支援センター、児童相談所、保健センター、自治体の子育て相談窓口、福祉施設や事業所、また、法定健診でも行われる場合もあります。しかし、自治体や機関により、検査の取り扱い内容や料金、検査までの待ち時間もまちまちです。お子さんの発達に関して心配なことがある場合や、検査を迷われていらっしゃる場合には、一度自治体の子育て相談窓口に相談されてみると良いでしょう。

 また、Kimoti 〜Quality of Life Counseling〜 でも、お子さんの特性や発達・発育面、その他子育てのお悩み等、何でもお気軽にご相談頂けます。
是非ご活用下さい。

Kimoti 〜Quality of Life Counseling〜
 代表 木持 めぐみ
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