オンラインカウンセリング事例紹介 ~キャリア編~
氷河期世代(40代)がむかえる
「中年の危機」
このままで良いのかなという
漠然とした不安が最近つきまといます
概要
最近頂くご相談の中で、いわゆる氷河期世代(40代)の方々の、「今すぐ転職したいわけではないのですが、自分はこのままで良いのかなという不安が常によぎってなんかモヤモヤしているのです。」といった内容が増えてきました。それは、もしかしたら、中年期の約80%が陥るといわれている『中年の危機(ミッドライフ・クライシス)』かもしれません。氷河期世代が、特に陥りやすいであろう「中年の危機」についてご紹介します。
本文
氷河期世代とは
氷河期世代とは、1970年~1980年代前半頃に生まれた、2023年現在に44歳前後の年齢の人たちです。ロストジェネレーション世代ともいわれ、バブル崩壊後、特に雇用状況のひどい就職氷河期に就職活動をした世代です。大学を卒業しても、正社員就職先が少なく、公務員試験の倍率も大幅に上がり、希望せずフリーターや派遣社員などの非正規労働者として過ごすことになってしまった人が多くいます。同世代の人口も多く、受験競争などの激しい競争にもさらされていました。
氷河期世代の特徴
氷河期世代の特徴としては、以下のような事があげられます。
- 真面目で堅実
就職すること、お金を稼ぐことの大変さを肌身で感じてきたが故、バブル世代の楽観さ・大胆さとは一転し、非常に慎重かつ真面目にコツコツと目の前のことに尽力し、堅実な生活を送るといった印象があります。 - タフでストイック
「就職氷河期」「リーマンショック」「新型コロナウイルス」と、次々押し寄せる激動の時代の中で、なんとか生きぬく為に努めてきた世代です。働き方改革なども今ほど整備されていなかった時代で、休日を返上したり長時間の残業をして必死に働いてきました。その姿勢には、世代ならではのタフさとストイックさを感じます。 - 柔軟で気遣い
バブル世代とゆとり世代の狭間で、「上司と部下」のちょうど中間層として調整役を担っている年次にあたり、周囲に気を配ってきたのがこの世代の特徴といえます。おそらく、上司のお誘いがあれば、ゴルフ接待や飲み会には極力出席し、お店選びやお勘定、幹事役なども担ってきたことでしょう。
一方、合理性や効率性を重視し、プライベートを大切にするゆとり世代である部下との関係においても、程良い距離感を保つよう気を遣っているのではないでしょうか。そういった意味で、周囲との関係において、柔軟性を身につけていると考えられます。
中年の危機(ミッドライフ・クライシス)とは
人生の中頃(折り返し時期)に入り、自分の人生についてこれでよいのだろうかと、問い直さずにはいられなくなるような、アイデンティティの不安定な状態のことをいいます。アメリカの心理学者ダニエル・レビンソンの言葉が語源です。思春期特有の「自分は何者なのか」という葛藤に似た、自分の存在意義や生き方を問う時期の為、別名「第二の思春期」とも呼ばれています。
氷河期世代がむかえる中年の危機(ミッドライフ・クライシス)
現在40歳前後という氷河期世代が、まさしく今、中年の危機に差し掛かる年代となってきました。仕事などを通じて、自分の人生とがむしゃらに向き合ってきた世代が、人生の折り返しを意識する時期に入ります。能力や出世といった自分の未来がある程度予測できる段階に入り、自分のこの先の成長の限界が心配になったり、体力や記憶力の衰えから焦燥感を覚えはじめたりします。また、男女ともに更年期に差し掛かり、ホルモンバランスの変化により、体調不良となったり、精神的に不安定にもなりやすくなります。
特に、時代の荒波にタフかつストイックに立ち向かってきた氷河期世代にとっては、働き方改革やポストコロナ時代の社会の変容に、これまでの自分のスタンスを当てはめた時、何か刺激の足りなさや自分の価値観との溝のようなものを感じてしまい、それが自分のアイデンティティの不安定さを招く要因になってくることもあるかもしれません。自分自身の心身の変化だけでなく、環境の変化によるものも複雑に絡み合っての中年の危機だと予測されます。
中年の危機(ミッドライフ・クライシス)との向き合い方
- 焦らない
若者の思春期が誰でも訪れるように、第二の思春期もまた、たとえ人生に成功して順風満帆だろうが、そうでなかろうが、訪れる可能性のあるもの、つまり、特別なものではないという身構えをしておくとよいでしょう。
一人で抱え思い悩みすぎると、焦って思いもよらない行動にでて後々後悔してしまったり、体調が悪化しうつ病などのこころの病になってしまう危険性もあります。
誰でも起こりうると身構えることで、同世代の方々と悩みを打ち明けやすくなったり、共感しやすくなり、話すことでモヤモヤの解消の糸口がみつかってくるかもしれません。 - 新しい環境(コミュニティ)に視野を広げる
職場以外の、新しい環境(コミュニティ)をつくったり加わることは、新しい自分を発掘するのに、非常に有効です。世代や職歴が全然違う集団にあえて身を投じることで、色々な世界や考え方を学ぶことができ、この先の自分の生き方のヒントや糧となっていくでしょう。 ボランティアなどの社会貢献活動などに興味をもってみるのもよいかもしれません。
アイデンティティの概念や発達段階を提唱したドイツの発達心理学者、エリク・ホーンブルガー・エリクソンによると、40~60代は「生殖性(世代性)」が重要と提唱しています。「生殖性(世代性)」とは、次の世代を支えていくもの(子ども,技術,新しいアイデア等)を生み、育み、自分がこれまでの人生で培ったものを次世代に繋いでいくことです。人生の後輩や周囲の役に立っていると実感することは、自分自身の生きがいにもつながり、心を満たすきっかけにもなるかもしれません。 - ありのままを受け入れる
これまで懸命に自分の人生と向き合い、社会の中で揉まれながら十分頑張ってきた自分を先ずは労りましょう。
その上で、折り返し前の今はゆっくり自分を見つめ直す時期なのだと、ありのままの自分を肯定的に受け入れ、この先の人生をどう楽しく生きていくかという、前向きな視点で自分を再定義していくようにしましょう。逆境に立ち向かってきた氷河期世代であることを自負にかえて、「きっとこの先もうまくいく!」、そうポジティブに捉えていけるとよいですね。
まとめ
氷河期世代が今抱えているモヤモヤな感情は、決して特別なものではなく、「中年の危機(ミッドライフ・クライシス)」が関係していることが分かりました。「中年の危機(ミッドライフ・クライシス)」に陥ったなと思った時は、肩に力を入れすぎず、ありのままの自分を肯定的に受け入れ、これまでの自分を労りましょう。体を動かして運動をしたり、新しい勉強をしてみたり、今までとは違った環境に入って活動してみたりすることで、これまでとは違った新たな人生の目標や生きがいがみつかるかもしれません。
氷河期世代の皆さんが、これから先の折り返しの人生も、前向きに楽しく過ごしていけることを願っています。
*「中年の危機」などによるモヤモヤな状態のご相談や体調不良のご相談も承っております。
一人では上手く対処できないことも、カウンセリングを受け対話を重ねることで、具体的に自分が何に対して悩んでいて、どんな不安を抱えているのかが整理しやすくなります。
お気軽に下記よりご相談下さい。
Kimoti 〜Quality of Life Counseling〜
代表 木持 めぐみ
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